影山法律特許事務所
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案  件
大阪地方裁判所判決 平成25年10月17日

事実概要
 平成20年10月3日、原告は標章「RAGGAZZA」(指定商品:被服・履物)について、商標登録を行った。
 原告は、本商標に基づいて、被告が平成24年5月頃より、女性向けラバーシューズに「Ragazza」の標章を付して販売したとして、商標法及び不正競争防止法に基づいて使用差止め及び損害賠償請求を行った。影山法律特許事務所の影山光太郎弁護士及び園山佐和子弁護士他が被告代理人を務めた。

判決内容
 大阪地方裁判所は、以下の理由から、原告の請求を、権利の濫用に当たるとし、また、原告の標章が、原告の商品として需要者の間に広く認識されていると認めるに足りる主張立証はないとして、棄却した。
理由:
仝狭陲「RAGAZZA」を自己の商品に付して使用していたにも拘わらず、これに「G」を1文字加えて、「RAGGAZZA」を商標登録していること、
∧神24年5月18日付で「Ragazza」の商標出願を行ったが、「ragazza」は「少女・若い女性」を意味するイタリア語で、単に商品の品質を表示するに過ぎないことを理由に拒絶査定を受けていること、
上記商標出願は、「RAGGAZZA」の商標出願から4年以上も経過した後、被告商品の販売が開始された時期に行われており、原告が拒絶理由を考慮して出願を控えていたと思われること、
じ狭陲蓮登録商標の「RAGGAZZA」がイタリア語の「ragazza」に由来することを前提として、被告の「Ragazza」が、原告商標と類似する旨の主張を行う一方で、原告が商標出願を行った「Ragazza」の無効審判において、イタリア語の「ragazza」を直感させるものではなく、アルファベットを配置して創作した造語である旨を主張しており、禁反言の原則に反すること。




最高裁判所 平成20年12月16日 動産引渡等請求事件判決(判例時報2040号p.16、判例タイムズ1295号p.183)

 本件では、ファイナンス・リース契約書中の民事再生手続き申立てを理由とするリース契約の解除の特約は、事業再生を目的とする民事再生手続きの趣旨に反し無効とされた。
 なお、本件は、一審東京地方裁判所平成16年6月10日判決(判例タイムズ1185号p.315)で、使用相当損害金1億1000万円(プラス、リース物件引渡しまでの損害金約3700万円)の支払が命ぜられたところを、影山他が控訴審から訴訟代理人を受任し、同審東京高等裁判所平成19年3月14日判決(判例タイムズ1246号p.337)で、逆転して使用相当損害金がわずかに921,942円の支払いとなった。
 上記最高裁判決は、この高裁判決を支持したものである。この判決は、日常頻繁に生じる倒産事件におけるリース債権の扱いについて、新しい判断であり、実務に対し、この種の事案の出発点として大きな影響を与えるものである。



最高裁判所 平成1711月8日判決 詐害行為取消請求事件 (民集 第59巻9号2333頁)
東京高等裁判所 平成161013日判決 詐害行為取消請求事件 (判例タイムズ1181133頁)
東京地方裁判所 平成15年9月29日判決 詐害行為取消請求事件 (判例タイムズ1181140頁)
事実概要
 K倶楽部は、日本有数の名門ゴルフクラブであるHゴルフクラブを所有する株式会社で、やはりゴルフ場の経営等を目的とするN興業の100%子会社であったことから、N興業のA銀行に対する債務を担保するために、平成5年1月、N興業とA銀行間で、K倶楽部所有のゴルフ場の不動産を共同担保として、合計で極度額200億円の根抵当権設定を合意し、実行された。
 その後、N興業は、平成10年7月3日、東京地方裁判所から和議開始決定を受けたが、平成14年7月22日、民事再生手続の開始決定を受けた。一方、K倶楽部は、平成14年8月2日、東京地方裁判所から再生手続開始決定を受けたが、平成15年1月30日、同手続について廃止決定がなされ、同年2月7日、会社更生手続の開始決定を受けた。

 平成11年3月1日、K倶楽部、A銀行及びN興業の間で、N興業のA銀行に対する債務約60億円を、K倶楽部が平成13年9月〜平成25年9月まで、毎年3月、6月、9月及び12月の末日限りで、分割で代位弁済し、N興業への求償権は放棄する等の協定を締結した。
 平成14年3月13日、上記根抵当権及び協定の債権は、ケイマン企業のS社に譲渡された。
 当初、K倶楽部が所有するHゴルフクラブの会員らが、民法424条1項「詐害行為取消権」に基づき、A銀行に本件根抵当権の抹消を請求したものであったが、上記の通り、根抵当権及び協定の債権は、S社に譲渡されたことから、A銀行は本訴から脱退し、S社が参加することになった。
 また、K倶楽部が再生手続開始決定を受けたことから、民事再生法上の監督委員が、民事再生法140条1項に基づき、会員らから訴訟を受継したが、その後、会社更生手続の開始決定を受けたことから、旧会社更生法93条2項及び69条1項に基づき、K倶楽部の管財人が、監督委員から訴訟を受継した。
 一審の東京地方裁判所は、更生会社の債権者を害する行為とは、「客観的には、当該行為によって、更生会社を無資力状態に陥れるものをいうと解される」とし、本件根抵当権設定は、更生会社を直ちに無資力状態に陥れるもので、その設定が更生会社の経営上特に必要であったとすべき事情も認められず、客観的に、更生会社の債権者を害する行為に当たることは明らかとした。また、更生会社及びA銀行は、本件根抵当権設定が、債権者を害するものであることを認識していたとした。
 二審の東京高等裁判所は、一審の「無資力状態」とは、「責任財産が減少して債権者に完全な弁済をすることができなくなる状態」と付け加えた。また、争点に「根抵当権設定契約についての否認権行使は、詐害行為時における債務超過分の限度でのみ認められるのか」が追加され、それに対し、「会社更生法上の否認権は、更生管財人が更生手続を円滑に遂行する権限の一つとして、多数の利害関係者人の利害を公平に調整することを目的とする」とし、倒産前後においては債権者平等主義が強化され、民法424条の債権者取消権よりも、広範に認められているとした。
 本件では、K倶楽部は、N興業の100%子会社とはいえ、別個の法人格の更生会社であり、本件根抵当権設定は、無償で財産を処分するたぐいのものであり、本件否認権の対象は、一つの契約で多数の筆数の不動産で構成される有機的一体としてのゴルフ場を目的としたものであることから、本件根抵当権設定契約全体を取り消すことが、更生会社の再建に資するとともに、債権者平等主義の強化にも資するとした。
 最高裁判所は、旧会社更生法78条1項1号に規定する更生債権者又は更生担保権者を害することを知ってした行為に当たる場合の否認権の行使は、更生会社の総財産についての管理権を有する管財人が、更生会社の一般財産を原状に回復させ、更生会社の事業の維持更生を図る目的の下に、その職責上行使するものであって、一般の債権者が民法424条に基づき個別的に自らの債権の確保を図るために詐害行為取消権を行使する場合の取消債権者の債権額のような限界は存在しないこと、管財人が1号否認権を行使する時点では、更生債権、更生担保権、更生会社に属する財産価額等が全て確定しているわけではないことを考慮すると、管財人が1号否認権を行使する場合には、目的物すべてに否認の効果が及ぶと解するのが相当とした。



東京高等裁判所 平成14年10月29日判決(最高裁判所ホームページ掲載)

東京地方裁判所 平成14年4月15日判決(判例タイムズ1098号p.213、判例時報1792号p.129)

ホームページの記事の投稿者に著作権が認められた事例

 光文社は、インターネット上の掲示板「ホテル・ジャンキーズ」に、ペンネームで書き込まれた投稿文をもとに編集した「世界極上ホテル術」を、平成13年6月に出版、販売した。掲示板の投稿者らは、投稿文章を無断で書籍として出版され、著作権を侵害されたとして、出版社の「光文社」などに、出版差し止めや損害賠償などを求めて提訴した。平成14年4月15日、東京地方裁判所は、出版社などに対して、出版の差し止めと投稿者への約140万円の支払いを命じた。

判決理由
「投稿文の多くは個性が発揮されたもので創作的な著作物性がある」
「文章が比較的短く、単に事実を説明、紹介したものなどは創作性が認められない」
「出版社は、投稿者らの許諾の有無を確認しておらず、著作権侵害の過失がある」
 
原告側代理人の影山光太郎弁護士のコメント
「最近のホームページには、投稿者の著作権の帰属があらかじめ記入され、トラブル回避は進められている。今回の判決では、著作権の帰属についての記入はなかったが、投稿者らのハンドルネームがあることで、著作権が認められた点が評価できる」